交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
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ホテルのホールで始まった同窓会では、懐かしい顔ぶれが揃っていた。
それぞれが、それぞれの青春を思い出して楽しんでいる。
その中にはもちろん戸川くんの姿もあったけれど、特に話しかけられたりはしなかった。
この前、戸川くんが何か言いかけた時に逃げ帰ってしまったからますます顔を合わせずらい。
「古嵐さん、結婚したんだって? おめでとう!」
幹事をしてくれた山本さんに言われて、思考が現在に戻る。
「ありがとう」
「ねぇねぇ、相手の人って、もしかして戸川くん!?」
思わぬ名前にどきりとする。
「えっ!? ち、違うよ!」
「あ、そうなの? ごめんね、ふたり中学の時仲良かったし、もしかしたらって思ったんだけど…ほんとごめん!」