交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「ありがとうございます、って、これ新品じゃないですか!?」
「また俺みたいに傘を忘れたお客さん用に、店に置いておいてください」
ただの忘れ物の傘なのだし、そもそも返してもらうつもりもなかったのに。
お礼に食べに来てと言った私の言葉通り来てくれたし、傘1本にも気遣いが乗せられた彼の心に触れてじんわりと心が暖かくなる。
「ありがとうございます! あ、今日もお弁当なら作れますよ!お作りしましょうか!」
「いや、定食は食べそびれてしまったが、実は、今日はあなたに話があって来たのもあるんです」
「私に、ですか? なんでしょうか」
彼は前に会った時と同じように、特に表情を変えることはなく至極冷静だ。
会うのは今日が2回目の関係の私に話とはなんだろうと小首を傾げる。
するとおもむろに持っていたカバンから名刺を取りだし、丁寧な所作で渡す。
「俺は深山一織。ここからも見えるだろうけど、あそこのビルで社長をしています」
「こ、古嵐小梅と言います。社長さん、だったんですね」
反射で受け取り流れで名乗り返すけれど、情報過多で頭がどうにかなりそうだ。
「また俺みたいに傘を忘れたお客さん用に、店に置いておいてください」
ただの忘れ物の傘なのだし、そもそも返してもらうつもりもなかったのに。
お礼に食べに来てと言った私の言葉通り来てくれたし、傘1本にも気遣いが乗せられた彼の心に触れてじんわりと心が暖かくなる。
「ありがとうございます! あ、今日もお弁当なら作れますよ!お作りしましょうか!」
「いや、定食は食べそびれてしまったが、実は、今日はあなたに話があって来たのもあるんです」
「私に、ですか? なんでしょうか」
彼は前に会った時と同じように、特に表情を変えることはなく至極冷静だ。
会うのは今日が2回目の関係の私に話とはなんだろうと小首を傾げる。
するとおもむろに持っていたカバンから名刺を取りだし、丁寧な所作で渡す。
「俺は深山一織。ここからも見えるだろうけど、あそこのビルで社長をしています」
「こ、古嵐小梅と言います。社長さん、だったんですね」
反射で受け取り流れで名乗り返すけれど、情報過多で頭がどうにかなりそうだ。