交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
翌朝、カーテンの隙間から差し込む朝日で目が覚める。
先に起きる一織さんが、いつも開けておいてくれるのだ。
なんて健康的な目覚め。隣の空間に目をやり、会社へ赴く彼を見送るために上体を起こした。
「おはよう」
「おはようございます」
顔を上げて、スーツに身を包んだ一織さんをぼんやりと見つめる。
まだ覚醒しきらない頭で、なんだか機嫌が良さそうだなと思う。
頭上で彼がふっと微笑んだ。
「まだ寝ぼけてるのか? 言っておくけど、忘れたとは言わせないからな。 昨夜は逃げられたけど、今度は逃がさないから」
「昨夜……あっ」
そこでようやく思い出した。昨夜、家に帰り着くなり彼と交したキスを。
一気に目が覚めた。
「思い出したか? なら今日は、小梅の頭は俺でいっぱいだろうな」