交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
一織さんが楽しそうに笑って、ぽんと私の頭に手を置く。

「行ってくる。今夜も早く帰る、と言いたいところだが、難しそうだ。先に寝ていろ。飯もちゃんと食うんだぞ」

「…はぁい。行ってらっしゃい」

子どもに言い聞かせるように優しく言われ、素直に返事をしてしまう。そんな私をまたくすくすと笑い、彼は出勤していった。

「今日だけじゃなくて、いつも頭の中は一織さんでいっぱいだよ」

時間差で呟いて、恥ずかしくて両手で顔を覆った。


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