冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
「社長には相談しなかったの?」

「社長はあの人に心酔するみたいに、なんでも言うこと聞いてて…」
それは茉白もなんとなく感じていた。

「…どうして私に相談してくれなかったの…?」

「茉白さんは、LOSKAが一番大事ってみんな知ってるから…社長とあの人の味方なんじゃないかって…みんな疑ってて…」

「そんな…」
茉白の胸がギュ…と苦しくなったが、ここ最近社内で感じていた疎外感の原因がわかった。

「だから、さっき庇ってくれて…今も、知らなかったんだってわかって…嬉しくて、ちょっと安心しました。茉白さんのこと、嫌いになりたくなかったので。」
莉子は泣いたまま笑顔を見せた。

「でも茉白さんはLOSKAを守りたいんだから、Amselとケンカになるようなこと、できないですよね。茉白さんの立場が辛いのはわかります…」

莉子の諦めたような顔に、茉白の胸が締め付けられる。

「だから茉白さんのことは応援してますけど…これ以上LOSKAでは頑張れません。ごめんなさい。」


(莉子ちゃんが辞めちゃうなんて…)

莉子は新卒の頃から茉白が面倒を見てきた特別な存在だ。それだけにショックが大きい。


——— 茉白さんが楽しそうで、私嬉しいです。


(莉子ちゃん…)


(影沼さん…本当に…?)
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