冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
7時50分
「では、本日中に私から発注のメールを送ります。これ、私の名刺です。」
商談の終わりに茉白をドアの側に誘導しながら米良が言った。
「はい、よろしくお願いします。サンプル各1個置いていきますので、お手数ですが要返却でお願いします。」
「はい。」
「あ、そうだ。」
茉白がまた何かを思い出した。
「あの、これ…良かったら。」
そう言って茉白がバッグから取り出したのは蒸気が出るタイプの使い捨てアイマスクだった。
「今日は朝早くからお時間を頂いてしまってありがとうございました。今日これから22時までお二人ともご多忙だと思うので、移動の時とかに使ってください。…あ!もしかしてこれって賄賂とかになります?」
「もう今回の注文は確定してますし、このくらいじゃ賄賂にはなりませんよ。」
米良が、可笑しそうに笑いながら言った。
「自分が使った方が良いんじゃねーの?」
「え」
茉白を見送ろうとドアの側に立っていた遙斗が、茉白の顔を上から覗き込んだ。
「クマが酷い。」
徹夜の影響がしっかり顔に出ていた。
(う…そんな至近距離で見ないで…)
遙斗の美しい顔面に圧倒され、思わず赤面してしまう。
「あ、あの、自分の分もあるので大丈夫です!」
「じゃあ、ありがたく頂戴しますね。」
「はい。えっと、今日は朝早くから—」
「さっき聞いた。」
「そうでした…えっと今後ともどうぞよろしくお願いします!」
そう言って茉白は今回も深々とお辞儀をし、商談ルームを後にした。
「おもしろい子だったな。茉白さん。」
商談ルームに残った米良が遙斗に言った。
「お前、下の名前で呼ぶなよ。トラブルの元になるぞ。」
遙斗がどこか不機嫌そうに言った。
「でもLOSKAの社長は彼女の父親らしいから、LOSKAの真嶋は二人いる。」
「調べたのか?」
「まぁ秘書の役目として、一応。株式会社LOSKA、創業30年で安定した業績を保っていたみたいだけど、この3年ほどで経営状況が悪化しているみたいだよ。」
「へぇ…頑張る本当の理由、か。」
遙斗は茉白が渡したアイマスクを見ながらつぶやいた。
「では、本日中に私から発注のメールを送ります。これ、私の名刺です。」
商談の終わりに茉白をドアの側に誘導しながら米良が言った。
「はい、よろしくお願いします。サンプル各1個置いていきますので、お手数ですが要返却でお願いします。」
「はい。」
「あ、そうだ。」
茉白がまた何かを思い出した。
「あの、これ…良かったら。」
そう言って茉白がバッグから取り出したのは蒸気が出るタイプの使い捨てアイマスクだった。
「今日は朝早くからお時間を頂いてしまってありがとうございました。今日これから22時までお二人ともご多忙だと思うので、移動の時とかに使ってください。…あ!もしかしてこれって賄賂とかになります?」
「もう今回の注文は確定してますし、このくらいじゃ賄賂にはなりませんよ。」
米良が、可笑しそうに笑いながら言った。
「自分が使った方が良いんじゃねーの?」
「え」
茉白を見送ろうとドアの側に立っていた遙斗が、茉白の顔を上から覗き込んだ。
「クマが酷い。」
徹夜の影響がしっかり顔に出ていた。
(う…そんな至近距離で見ないで…)
遙斗の美しい顔面に圧倒され、思わず赤面してしまう。
「あ、あの、自分の分もあるので大丈夫です!」
「じゃあ、ありがたく頂戴しますね。」
「はい。えっと、今日は朝早くから—」
「さっき聞いた。」
「そうでした…えっと今後ともどうぞよろしくお願いします!」
そう言って茉白は今回も深々とお辞儀をし、商談ルームを後にした。
「おもしろい子だったな。茉白さん。」
商談ルームに残った米良が遙斗に言った。
「お前、下の名前で呼ぶなよ。トラブルの元になるぞ。」
遙斗がどこか不機嫌そうに言った。
「でもLOSKAの社長は彼女の父親らしいから、LOSKAの真嶋は二人いる。」
「調べたのか?」
「まぁ秘書の役目として、一応。株式会社LOSKA、創業30年で安定した業績を保っていたみたいだけど、この3年ほどで経営状況が悪化しているみたいだよ。」
「へぇ…頑張る本当の理由、か。」
遙斗は茉白が渡したアイマスクを見ながらつぶやいた。