冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
翌週・月曜日

「今度こそ結婚しちゃう感じ?」

「え〜…てゆーか、やっぱり相手もセレブなんだねー」

「イギリスと日本のハーフだって。すっごい美人!」

休憩時間に莉子や他の女子社員が集まってスマホを見ながらザワザワとしている。

「どうしたの?」

「あ、茉白さーん!見てくださいこれ〜!」
そう言って莉子が見せたのは、ネットのゴシップ記事だった。

【シャルドンエトワールイケメン御曹司と人気アパレルブランドハーフ美人令嬢、結婚間近!?】
【高級レストランで堂々デート】

(え…)

タイトルの下には遙斗と相手の女性の写真が貼られている。
どこかから適当に探してきたような二人別々の写真だが、華やかな顔立ちの女性で、遙斗の横に並ぶのに相応しいと感じさせる美女だった。

「でもこの手の記事ってよく出てるよね〜」
莉子ではない女子社員が言った。

「まぁね〜。でも今までは女優とかモデルだったけど、アパレルのお嬢様ってとこが今回はリアルじゃない?」
莉子が言う。

記事に書かれたアパレルブランドの名前に茉白の心がスッと血の気を失う。

【お相手は人気アパレルブランドMary's Closetの社長令嬢】
茉白がパーティーで着ていたドレスのブランドだ。

——— 良いブランドだよね、俺も好き。

(だから…褒めてくれたんだ。)

(社交辞令を勘違いしちゃってバカみたい…)

———はぁ…

茉白は小さく溜息を()いた。
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