冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
「先方がうちの商品に合わせて色やデザインの雰囲気が合うものを選んでくれるそうだ。コーナーに付ける店頭POPも向こうで用意してくれる。悪い話ではないから、乗ってみようと思う。」

「ふーん…合わせてくれるならチグハグにはならないかもね。」

(あんなにすぐに連絡くれて、そこまでやってくれるなら…たしかにファンなのかな…?パーティーのときに言ってくれたら良かったのに。)

初めての試みに茉白には不安な気持ちもあるが、なにより縞太郎のニコニコと嬉しそうな顔を見るのが久しぶりだったのでこの企画を応援することにした。


「こんにちは。」

雑貨店の店頭で商品陳列をしていた茉白に声をかけたのは、影沼だった。
この日は縞太郎が言っていた店頭でのコラボコーナーの設営日だ。

「あ、こんにちは。パーティー以来ですね、お久しぶりです。」

「あの時、真嶋さんと名刺交換して良かったですよ。こんなに素敵な企画がすぐに実現した。」
影沼がにこやかな顔で言った。

「こちらこそありがとうございます。POPも作っていただいたのに什器までご用意頂いちゃって…。」

「いえ、うちは社内に什器がいろいろあるので。何よりこちらがLOSKAさんのファンなので協力は厭いませんよ。」

(………)

「それ、パーティーの時に言ってくださったら良かったのに…なんて。」
茉白はニコッと笑って影沼を試すように言った。

「あー、いえ、あの時は酒も入っていて…家に帰って御社のことを検索したら知っている商品がたくさん出てきて、あ、SNSを元々フォローしていたのにもあの場では気づかなかったんですよ。」

「え、そうだったんですか?」
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