冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
シャルドンエトワール本社・役員室

「あーあ、今日も残業か〜こんなんじゃ結婚前に振られるかも。」
米良が言った。

「お前が無理矢理展示会に行くスケジュールをねじ込んだせいだろ…この忙しいときに。」
遙斗は非難を込めたように言った。

「でも行って良かっただろ?AmselがLOSKAに近づいてるってわかって。」

「…別に、シャルドン(うち)には関係ないことだろ。」
遙斗は冷静だが、どこか機嫌の悪そうな声で言った。

「だから、そんな顔するなら遙斗も下の名前で呼ばせてもらえばいいだろ?」

「そんな話はしてない。」

「“茉白さんのお父様と懇意にさせていただいていまして”とか言ってたよな。」
米良は影沼の口調を真似て言った。

「コスメメーカーのAmselが雑貨が得意なLOSKAと組むのは自然な戦略だろ。」

「思ってもないこと言うなよ。」

「とにかく、今何か起きてるわけでもないし、それがうちの利益か不利益にならないなら、他所の会社のことに干渉するべきじゃない。米良もわかってるはずだろ。」

「遙斗の機嫌が悪くなるなら俺にとっては不利益だけどな。」

「………」



1週間後
LOSKA社内
「え、影沼さんが…?」
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