冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
「お菓子代で領収書お願いします。株式会社LOSKAで…」

茉白が買ったのは箱入りの焼き菓子だった。

「工場へのお土産です。」
茉白はニコッと笑った。

「え、工場からしたらLOSKAの方がお客様でしょう?お土産なんて要りますか?」

「まあ、金銭的なところだけ見ればそうですけど…。今日はお礼も兼ねているので。」

「お礼?」


「こんにちは〜!」

「あ、茉白さん、こんにちは。いらっしゃいませ。」

茉白は工場に着くとすぐにスタッフに挨拶をした。

工場長の綿貫(わたぬき)が茉白を出迎えた。
「茉白さん、いらっしゃい。」

「綿貫さん!こんにちは。これ、良かったら休憩の時にでも皆さんで食べてください。」
茉白は袋からお菓子の箱を出すと綿貫に手渡した。

「いつもお気遣いいただいちゃってすみません!」

「いえいえ。」

綿貫は茉白の後ろの影沼に気づいた。

「そちらの方は…?」

「あ、えっと…最近うちとお付き合いのあるAmselさんていう会社の影沼常務です。影沼さん、こちらは工場長の綿貫さんです。」

「初めまして、Amselの影沼と申します。」 

綿貫繊維工業(わたぬきせんいこうぎょう)の綿貫です。よろしくお願いします。」

「えっと、綿貫さんのところでは主にポーチを作っていただいてます。」
茉白が紹介した。
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