冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
「あの…」

茉白がバッグから雑誌を取り出した。20代向けの女性ファッション誌だった。

「あれ?その雑誌…」
表紙を見た米良が反応する。

茉白は雑誌の、付箋が貼られたページを開いて二人に見せた。

「ここにLOSKAの商品が載ってるんです。御社にも納めさせていただいたコスメポーチが、小さくですけど…」

茉白は雑誌を出しては見たものの、指差した写真が会社で見たときより小さいように感じて少し気恥ずかしそうに言った。

「へぇ、小さくてもメディアに出るのは宣伝になると思うよ。この雑誌のWEB版にも掲載されてる?」
遙斗が言った。

「はい。」

「この雑誌って、遙斗のインタビューも載ってる号じゃないですか?」
米良が言うと、茉白は頷いた。

「…覚えてないな。」

「遙斗は自分が載った雑誌とか興味ないからな…」
ピンときていない様子の遙斗に米良が呆れたように言った。

「茉白さんは、遙斗も載ってるから持って来てくれたんじゃないですか?」
米良はにっこり笑って茉白に言った。

「え!えっと……」

遙斗も茉白の方を見た。

(米良さんてこういうところ、鋭いっていうか目ざといっていうか…)

「………はい、同じ雑誌に載るってなんかちょっと…嬉しくて…雪村専務はまるごと1ページで、LOSKAはたったこれだけですけど…」
茉白は照れ臭そうに少し小さな声で言った。

「…そっか…」

遙斗は雑誌を手に取るとパラパラと捲った。

「ありがとう。」

遙斗に優しい笑顔で言われると、茉白の心臓がキュ…と音を立てる。
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