冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
仕事が終わると影沼は自分の車に茉白をエスコートした。
普段はLOSKAへは大衆車で出勤している影沼がこの日は高級車を用意しているところを見ると、今日の出勤前には縞太郎から影沼へ、昨夜の茉白との会話の内容が伝わっていたようだ。
二人がそうやって親密にやり取りをしているのが、茉白には不審でたまらなかった。
影沼が茉白を連れてきたのは高級フレンチだった。
茉白はかろうじてジャケットにワンピースという服装だったため、今日は影沼の提案に応じることにした。
テーブルに着くと茉白はとくに好みを伝えず、オーダーはすべて影沼に任せ、最低限の会話で済ませるようにした。
茉白の前に置かれたグラスに白ワインが注がれたが、茉白は乾杯をする気になれない。
「………」
「…そんなに警戒しないでください。」
「……警戒…してるわけじゃなくて…」
「縞太郎さんを通してお伝えしてしまったことが不快な気持ちにさせてしまった…」
影沼がグラスを見ながら言った。
「違いますか?」
「………」
「本当は直接言うつもりだったんですが…私がなかなか切り出せずにいるのが縞太郎さんにはもどかしかったんでしょうね。」
「…あまり…ピンとこないというか…本当に私に対してそういう気持ちがあるんですか…?」
茉白は影沼の目を見ずに言った。
「前に言ったでしょう?気になっている女性がいる、って。」
「え…」
以前に食事をした時に言っていたことを思い出した。
「じゃあ…パーティーの時に、っていうのも…本当なんですか?」
「ええ。あの会場で茉白さんはとても輝いて見えました。」
「それは—」
あの日、茉白が輝いて見えたとしたら遙斗のせいだ。
あの日のことを思い出すと、どうしても胸が高鳴ってしまう。
普段はLOSKAへは大衆車で出勤している影沼がこの日は高級車を用意しているところを見ると、今日の出勤前には縞太郎から影沼へ、昨夜の茉白との会話の内容が伝わっていたようだ。
二人がそうやって親密にやり取りをしているのが、茉白には不審でたまらなかった。
影沼が茉白を連れてきたのは高級フレンチだった。
茉白はかろうじてジャケットにワンピースという服装だったため、今日は影沼の提案に応じることにした。
テーブルに着くと茉白はとくに好みを伝えず、オーダーはすべて影沼に任せ、最低限の会話で済ませるようにした。
茉白の前に置かれたグラスに白ワインが注がれたが、茉白は乾杯をする気になれない。
「………」
「…そんなに警戒しないでください。」
「……警戒…してるわけじゃなくて…」
「縞太郎さんを通してお伝えしてしまったことが不快な気持ちにさせてしまった…」
影沼がグラスを見ながら言った。
「違いますか?」
「………」
「本当は直接言うつもりだったんですが…私がなかなか切り出せずにいるのが縞太郎さんにはもどかしかったんでしょうね。」
「…あまり…ピンとこないというか…本当に私に対してそういう気持ちがあるんですか…?」
茉白は影沼の目を見ずに言った。
「前に言ったでしょう?気になっている女性がいる、って。」
「え…」
以前に食事をした時に言っていたことを思い出した。
「じゃあ…パーティーの時に、っていうのも…本当なんですか?」
「ええ。あの会場で茉白さんはとても輝いて見えました。」
「それは—」
あの日、茉白が輝いて見えたとしたら遙斗のせいだ。
あの日のことを思い出すと、どうしても胸が高鳴ってしまう。