冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
「秘書の米良さんは優しそうで感じ良かったかな。おかげで明日商談できることになったし。」

「あーたまに雪村専務と一緒に雑誌に出てる人!あの人も素敵ですよね〜!イケメン二人か〜私も明日の商談ついていきたいなぁ…」

莉子が本気とも冗談ともつかない発言をする。

「いいけど、朝7時開始だよ?」
「7時!?」

莉子は遙斗のフルネームくらい大きな声で驚いてみせた。これが普通の反応だ。

「なんでそんなに早いんですか!?茉白さん大丈夫ですか?」
莉子が心配そうに言った。

「忙しい人だからそこしか空いてないんだって。私は朝早いの慣れてるし、すぐにアポ取れてラッキーだったよ。リベンジだから今度は資料しっかり確認しておかないと。」

茉白はやはり商談時間を全く気にしておらず、莉子や他の社員が遙斗たちと同じ顔をした。

翌朝 7時
シャルドンエトワール本社・商談ルーム
昨日はエントランスからこの商談ルームに来るまでに何人もの社員に挨拶をしたが、この日はシン…として人の気配を感じない薄暗いエントランスに、米良が直接茉白を迎えにくる形で入館し、ここに着くまでに他の社員と顔を合わせることはなかった。

「おはようございます。本日はお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いします。」

商談ルームの窓の外の空もまだ朝のぼんやりとした優しい光の色をしている。
茉白はまた深々とお辞儀をし、遙斗に促されて着席した。
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