天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
天使の受難・魔法の恋の行方シリーズ10
グルシアとアレクサンドラ
<天使長の問題>
「ふーーーん」
天の軍団を率いる上級大天使、
グルシアは頬杖をして、
机の上に、占いのカードのように並べてある写真を眺めていた。
「グルシア様、失礼します。
長老様がお呼びですが、お約束の時間かと」
従者の下級天使が、声をかけた。
「ああ、そうだね、
また、頭が痛い問題を押し付けてくるのだろうが」
グルシアは、純白の衣をさばくように立ち上がった。
同僚のサリエルが通りすがりに、机の写真に目を止めた
「ああ、この写真は・・」
ツインテールの幼い少女・制服姿の女子高校生・
和服の熟女・露出度の高いドレスを着た娼婦・
ピンクの制服のナース・眼鏡をかけたビジネススーツスタイル、
猫耳にゃんにゃん、
イメクラのプロフィール写真か、と思うほど色々だ。
「へぇー、どれも魅力的だね」
サリエルは、面白そうにグルシアの顔を見て、微笑んだ。
「ああ、魔女のアレクサンドラだ。
黒髪と濃い緑の目は変わらないが」
「猫耳、かわいいな」
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