天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
「お前、ばかかぁ?
ここではアタシの魔力がないのをわかっているだろ!!
あんたが抵抗したら、アタシが
大火傷しちまうぜ!!
まったくぅ!」

燃えるような緑、怒りに満ちた目で、
「あんたを襲って、何の得がアタシにあるちゅーのっ!!
その前に、アンタの黄金の剣で殺されてるわ」

手首の白い肌に、痛々しく残る赤い火傷の跡。

グルシアは、血の気が引いた気持ちがした。

「そうだな・・感情的になって
悪かった・・」

グルシアは、黄金の長剣を出しそうになる自分を何とか抑え、
上着を手に取った。

「そんな恰好だと、風邪をひくぞ。今のお前はニンゲン仕様だからな。
食べ終わったら、ちゃんと歯を磨け!!」

言い終わると、
グルシアは、そのまま金粉をまき散らして天界に戻った。
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