天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
そう言って、サリエルも書類を手に立ち上がろうとした時、また、ベンチに座りなおした。

「それに・・これって君の趣味?」

サリエルは、指に黒いビキニパンツを引っかけた。

「君のポケットから、はみ出ていたけど・・君の趣味じゃないよね」

「ちゃうぞっ!!」

グルシアは、顔色を変えて、サリエルの指から、ビキニパンツをひったくった。

本当に、こいつも油断も隙も無い奴だ。

「ふーーん、美少女魔女ちゃんの趣味ってことか?

それなら、なおさら仲直りは早くしたほうがいい。
お土産はチョコミントアイスかケーキだね」

サリエルはにこやかに手を振ると、緋色の翼に自分の体を隠すようにして消えた。

ベンチに、魔女の<やりたい事リスト>が残されていた。

グルシアは、急いでその紙片とビキニパンツを、アタッシュケースに突っ込んだ。



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