天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
無害化測定試験
<無害化測定試験>
次の日の昼食は、グルシアが手早く作った。
ペペロンチーノパスタとサラダ、ラタトゥイユは昨日、魔女が作って冷蔵庫で冷やしてあったものだ。
本当なら、白ワインが飲みたいところだが、魔女の前で酒を飲むわけにはいかない。
目の前で、パスタをフォークにグルグル巻きつけるのに苦戦している魔女を見て
「午後は出かけるぞ、着替えをして外に出る準備をしなさい」
そう言って、グルシアはフォークを置いた。
「どこに行くんだ?」
「隣の教会だ。お前がどのくらい無害になっているのか、測定試験がある」
グルシアはコンサートのチラシを机の上に置いた。
教会で行われる、無料のピアノリサイタルだ。
「夜に演奏会があって、午後からリハーサルがある。
天界がらみの者も、多く関係者として来ているからな。
夜はニンゲンが多く入るから、リハーサルの時に測定試験が行われる。
特に、どうこうという事はない。
普通のニンゲンらしく振る舞えば、問題はない」
魔女は曖昧にうなずき、皿を片付け始めた。
無害化の進行状況測定試験。
封印措置の決定が出るか、どうかの重要な試験だ。
教会前の駐車場には大型トラックが止まり、アンプや照明機材が運び込まれて、コンサート会場の準備が着々と進んでいた。
「これは、これは漆原先生、わざわざ、お越しくださってありがとうございます」
教会の正面扉のところで、グレーのスーツ姿のサリエルが、満面の笑顔で出迎えた。
次の日の昼食は、グルシアが手早く作った。
ペペロンチーノパスタとサラダ、ラタトゥイユは昨日、魔女が作って冷蔵庫で冷やしてあったものだ。
本当なら、白ワインが飲みたいところだが、魔女の前で酒を飲むわけにはいかない。
目の前で、パスタをフォークにグルグル巻きつけるのに苦戦している魔女を見て
「午後は出かけるぞ、着替えをして外に出る準備をしなさい」
そう言って、グルシアはフォークを置いた。
「どこに行くんだ?」
「隣の教会だ。お前がどのくらい無害になっているのか、測定試験がある」
グルシアはコンサートのチラシを机の上に置いた。
教会で行われる、無料のピアノリサイタルだ。
「夜に演奏会があって、午後からリハーサルがある。
天界がらみの者も、多く関係者として来ているからな。
夜はニンゲンが多く入るから、リハーサルの時に測定試験が行われる。
特に、どうこうという事はない。
普通のニンゲンらしく振る舞えば、問題はない」
魔女は曖昧にうなずき、皿を片付け始めた。
無害化の進行状況測定試験。
封印措置の決定が出るか、どうかの重要な試験だ。
教会前の駐車場には大型トラックが止まり、アンプや照明機材が運び込まれて、コンサート会場の準備が着々と進んでいた。
「これは、これは漆原先生、わざわざ、お越しくださってありがとうございます」
教会の正面扉のところで、グレーのスーツ姿のサリエルが、満面の笑顔で出迎えた。