天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
リリカとの遭遇
<リリカとの遭遇>
「キャハハハ・・・」
こんもりとした常緑樹の茂み、塀の鉄柵から、かん高い女の笑い声が聞こえる。
「今日、アンタの泣き顔をわざわざ来たのよ。
これから、封印されるんでしょう?」
その声の主は、背の高い、茶色の毛皮のコートを羽織った妙齢の美しい女だった。
持っていたたばこを、アスファルトの地面に落とすと、細いピンヒールの先で、虫をふみつぶすように踏みにじった。
魔女は、マンションの壁に背をつけていたが、その女と対峙するように体を構えていた。
「お前だって、いつどうなるか、わからんぞ、リリカ」
そう言って、
壁に背中をつけながらも、入り口のほうにじりしりと移動を始めた。
マンションの中には、邪悪な魔力を持つ者は入れない。
「次はお前がターゲットになるはずだ。
天界の力はあなどれないぞ」
「あら、あら、負け犬の遠吠えってやつね。
あんたが捕まって、今、私が魔女部門のリーダーになっているの」
リリカは、毛皮のコートの打ち合わせを開いて、胸の谷間から黒いナイフを取り出した
「私がここで封印しちゃおうかしら。
今のアンタはニンゲンだもの。簡単だわ」
それから、細い靴のヒールで、コンコンと地面を叩いた。
「この場所に封印すれば、アンタは毎日、毎日、ニンゲンに踏みつけにされるのよ」
「勝手な事はさせないっ!!」
グルシアが、黄金の長剣を下段に構えて、壁に張り付く魔女の前に大きな翼を広げて出現した。
「あらぁ、素敵な翼の天使長様、あなたも・・なかなかね」
リリカが紅い唇に、人差し指を当てて投げキッスを送った。
「アレクサンドラはねぇ、できそこないの魔女だから、さっさと
ぽいしちゃいなさい。
それとも、天使長様は、こーいうガキみたいのがご趣味?」
「キャハハハ・・・」
こんもりとした常緑樹の茂み、塀の鉄柵から、かん高い女の笑い声が聞こえる。
「今日、アンタの泣き顔をわざわざ来たのよ。
これから、封印されるんでしょう?」
その声の主は、背の高い、茶色の毛皮のコートを羽織った妙齢の美しい女だった。
持っていたたばこを、アスファルトの地面に落とすと、細いピンヒールの先で、虫をふみつぶすように踏みにじった。
魔女は、マンションの壁に背をつけていたが、その女と対峙するように体を構えていた。
「お前だって、いつどうなるか、わからんぞ、リリカ」
そう言って、
壁に背中をつけながらも、入り口のほうにじりしりと移動を始めた。
マンションの中には、邪悪な魔力を持つ者は入れない。
「次はお前がターゲットになるはずだ。
天界の力はあなどれないぞ」
「あら、あら、負け犬の遠吠えってやつね。
あんたが捕まって、今、私が魔女部門のリーダーになっているの」
リリカは、毛皮のコートの打ち合わせを開いて、胸の谷間から黒いナイフを取り出した
「私がここで封印しちゃおうかしら。
今のアンタはニンゲンだもの。簡単だわ」
それから、細い靴のヒールで、コンコンと地面を叩いた。
「この場所に封印すれば、アンタは毎日、毎日、ニンゲンに踏みつけにされるのよ」
「勝手な事はさせないっ!!」
グルシアが、黄金の長剣を下段に構えて、壁に張り付く魔女の前に大きな翼を広げて出現した。
「あらぁ、素敵な翼の天使長様、あなたも・・なかなかね」
リリカが紅い唇に、人差し指を当てて投げキッスを送った。
「アレクサンドラはねぇ、できそこないの魔女だから、さっさと
ぽいしちゃいなさい。
それとも、天使長様は、こーいうガキみたいのがご趣味?」