天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
徴(しるし)・その後
あと数分で、結婚式が始まる。
式は、長老が執り行う予定だ。
グルシアとサリエルは、教会の祭壇脇に立っていた。
「サンドラちゃんの体調はどうなの?
もう、問題がない程度になっている?」
「一時的な低体温ショックだ。
すぐに対応できたから、問題ない。
サリエル、君が来てくれてよかった」
そう言って、
グルシアは、教会の正面扉を見た。
「まったく、よく思いついたものだね。
修道院の神聖ワインを使い、浄化の炎を反転させ、氷にしてしまった。
おまけに正式な徴(しるし)として、認めさせたのはね」
サリエルは、ニンマリと笑った。
「でも、手を縛られている君の姿は・・
煽情的で、衝撃的だったぞ」
グルシアは、その言葉に赤くなった。