イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「わはは。明言だな。まあ、頑張れ。会長は本心では元々うちとの縁組みを望んでいたから表だって何もしないだろう。だが、血縁以外に会社を取られるくらいならという気持ちもわからんではない。何かあれば相談しろ。突っ走るなよ」
「わかりました」
そう言って、部屋を後にした。
急いで兄貴にメールした。
『茜の件、何をしたのか報告求む』と短く書いた。既読にならない。まあ、忙しいだろうし、すぐには返事など来ない。
俺は急いで部屋へ戻ると、抱えている訴訟案件の手続きを伊藤と一緒に片付けはじめた。
急いで昼ご飯を食べて、今度は蓮見の総会資料に目を通す。
用意するプリントを入力、印刷する。伊藤は法務局へ行ってしまったので、自分で書類をホチキスで留めて資料をまとめていく。
何しろ、素人同然の茜に、二年程度の経験の高梨、後は部長ときたらどうにもならん。部長が今までどうやってきたのか爺さんに聞いたが、爺さんと俺ではやり方を変えた方がいいと思った。