イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
 
 今後のためにも、もう少し若手を入れてきちんとするべきだ。今まで何もなかったのが不思議なくらい。まあ、爺さんが色々手を回していた可能性もある。

 二時前に着いた。
 気がせいたせいもあって、十五分も早く着いてしまった。

 すると、社長が車から降りてエントランスを入ってきた。秘書が後ろを着いてくる。俺はとっさに近寄って頭を下げた。

 「お疲れ様です。お世話になります」

 「新藤弁護士。今日は打ち合わせですか?」

 「はい。今日から本格的に入ります」

 一緒にエレベーターホールへ向かう。

 「あの、社長」

 「ん?週末のことなら茜さんから朝一で連絡があったよ」

 「え?」

 「自宅で話すことになった。君も来るんだろ?」

 「……はい、そのつもりです。まだ、茜から連絡をもらっていないのですが、土曜日ですか?日曜日?」

 「いや。詳しくは父に聞いてからだが、土曜日は午後しか空いてない。日曜日は午前中早い時間なら大丈夫だ」

 「わかりました。お邪魔させて頂くと思います」

 役員用ではないエレベーターが来た。

 社長はふっと笑うとこちらを見て言った。
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