イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「そうなんだけど……社長が迷っていてね。ネットのほうが楽だと言うんだけど、そうでもないとこっちは実は思っていてね。会場は人数が限られているし、やはり来るだけの理由のある人が多い。ネットは人数が倍ぐらいになるし、双方向も把握が大変なんだよ」
「そうですね。まあ、警備とかが会場の場合は必要ですし、考え方次第ですね。蓮見商事は今年度増益ですし、配当も出ているならあまり心配しなくてもいいかとは思いますが……」
話し合いはスムーズに進み、今日やるべき課題はクリアになった。
「今後のことはこのプリントにまとめてきました。目を通して頂いて、何かあればご連絡ください」
そう言って、準備してきたものを茜に渡す。
高梨はじっとプリントを見ている。
部長が外に出て、何やら野菜を持って入ってきた。
「ぼくね、家で野菜を作るのが趣味でね。今までひとりだったし、会計部に配るには量が足りないし。ようやくこの人数なら配るのに丁度いいよ。よかったら食べてよ」
そう言って、袋を三つ持ってきた。
中には夏野菜。ミニトマト、キュウリ、ナス。
「わあ、嬉しいです。美味しそう」