イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
蓮見家との戦い
ひさしぶりの蓮見の家。日本家屋に広い庭。
今はおじいさまと伯父さん夫婦が住んでいる。おじいさまの面倒は長い間おつとめしている家政婦さんが見ていて、伯母さんも相談に乗っているらしい。
おばあさまは病気で大分前に亡くなっている。
約束の時間にリビングへ通された。ここは、いつも家族で来ると集まる場所。私は見慣れた場所だ。
海斗はスーツ姿。私のためにきちんとしてくれていると思うだけで嬉しい。彼を見上げたら、気付いた海斗が心配するなというような目をして私の頭を撫でた。
おじいさまと伯父さんが座っている。挨拶をすると、座るよう勧められ、お茶を出した家政婦が下がっていった。
「茜から話は聞いています。今日ははっきりさせるために来ました。今、俺と茜は真剣に付き合っています。茜は会長と爺さんが決めた元から俺の許嫁です。縁談を解消して下さい」
おじいさまと伯父さんは何も言わない。私は焦って言った。
「以前、聞かれたとき海斗と結婚しないと言ったのは私です。でも、今は海斗の言うとおりお付き合いを始めています。高梨君とのお話はお断りさせてください」