イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

 伯父さんがおじいちゃんを見た。おじいちゃんは私を見て口を開いた。

 「急に付き合うことになったんだな。高梨君との縁談を避けるために仲のいい海斗君に頼んだんじゃないのか?」

 「そんなんじゃないです」

 「じゃあ、なんであのときそう言ってくれなかったんだい?おかしいだろ?」

 伯父さんが言う。

 「あのときは、海斗との関係を高梨君に説明しづらかったから言えなかったんです……顧問弁護士として海斗が挨拶に来たとき、高梨君の前で初対面のフリをしていたんです。でもそれは私のためです。海斗のことで色々聞かれる可能性があるから……」

 「海斗君。長い間茜と内々は許嫁だったがどうして付き合わなかったんだ?君は茜をどう思ってた?」

 海斗はおじいさまをじっと見てすぐに答えた。

 「お互い高校から違う学校へ通っていました。距離もあり、俺は司法試験を受けると決めていましたので、茜とは受かってから付き合おうと決めていたんです。内々では許嫁だし焦る必要もないかと思っていました」

 「ふうん。まあ、君のことは清兵衛から聞いてはいた。そして茜が君を避けているようだというのも知っていた」
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