イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
 
 「母親そっくりだな。実家を捨てて平気なんだ」

 伯父さんが吐き捨てるように言う。

 「蓮見社長。口が過ぎませんか?それから、茜はあなた方の政略結婚の道具ではない。彼女にも意思がある。聞いてみたらどうですか?私も弁護士です。目に余るような話の持っていき方をされるようなら法的に訴えますよ」

 「……君、うちの顧問弁護士のくせに、何だその言い方は!」

 伯父さんが立ち上がって海斗を睨んだ。

 「昨日申し上げましたよね。私はここへ来るのに人生をかけますと言いました。生半可な覚悟できたわけじゃない。俺は男として好きな女を奪われないためここにきました。許嫁なんて約束があろうとなかろうと俺は茜と一緒になると昔から決めていましたから」

 「ワハハ……」

 おじいさまが手を叩いて笑った。

 「わしは君がどんな大人になったのかよく知らなかった。君のじいさんに茜のもうひとつの縁談を話したとき、そううまくはいかないだろうと言われたんだ」

 「うちのじいさんが?」
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