イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く～お前は俺のもの

　「おじいちゃん。お願い、海斗を困らせないで。困らせるなら私会社やめます」

　「「茜！」」

　「だって……海斗はモテるし、頭もいいの。私のほうが釣り合ってないって言ったでしょ？お願いだから、おじいちゃんそういうこと言うのやめて」

　海斗は私のことを引っ張ると抱きしめた。え？ええ？おじいちゃんの前だよ。

　「茜は本当に海斗君が好きなんじゃな。結婚しないと言っとおいてまったくのう。あまのじゃくで本当に迷惑な奴じゃ」

　「ご、ごめんなさい……」

　「会長。茜のことは何があっても諦めません。先ほどのお話は……雑談として聞いておきます」

　「良いのう。そういう権力へおもねることなく、きちんとしているところも良い。わしは君に惚れた」

　「「はあ？」」

　「まあ、高梨工業の縁談はあいつが主導していたのでな。少し確かめたいこともある。実はちょっと小耳に挟んだこともあってな」

　「なんですか？」

　「まあ、いい。そのうち君の耳にはイヤでも入る。顧問弁護士だからな」

　「そういうことですか」