イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「そういうことじゃ。じゃあな、茜。せいぜい、海斗君に嫌われないように大人の女になることじゃ」
信じらんない、おじいちゃん。何言ってんのよ!
ふたりは目を合わせて笑っている。何なのよー!
「茜、帰ろう。会長失礼します」
立ち上がって頭を下げて部屋を出ようとしたらおじいさまが海斗に声をかけた。
「おうおう。先ほどの話、雑談だが考えてくれると嬉しい。そうしてくれたら、茜の縁談もすぐになくなる」
「……それは茜のことをまだ諦めないという意味ですか?」
海斗が立ち止まって振り返る。
「茜はな、わしの孫であり、蓮見の血を引く唯一の直系じゃ。諦めるわけがない。悪いがな、ここへ入社させたときから茜の両親も全くこのことを考えていなかったはずはない。皆がこの会社の恩恵を受けて生活しているのだからな。茜お前もじゃ!」
わかってる。わかってるよ。お母さんだっておじいちゃんに援助してもらって私を結局育てた。お父さんだってわかってるはず。もちろん、恩返しのために入社したんだから、私は縁談以外なら何でもするつもりだった。