イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「ああ、茜ちゃん。今、あなたのママから連絡があったから一応電話したのよ。海斗の部屋見た?すごいでしょ。私ね、一度行ったんだけど、吐き気がしたわ。家事マスターの茜ちゃんならお任せできると思ってね。もちろん、気が向いたときでいいのよ。お礼はたっぷりするように海斗にきつく言っておくからね。あと、危ないことがあったら海斗を使ってね。じゃ、忙しいからこれで。またね」
そう言って、一方的に話し終わると電話を切った。相変わらずだわ。
携帯電話をじいっと見つめている私を、同情のまなざしで見つめていた海斗は話し出した。
「この際、親の思惑はどうでもいい。とりあえず、お前も女のひとり暮らしだし、危ないこともあるだろうから俺を使えばいいよ。飯はどうせ自分の分を作るんなら俺のも作ってくれると助かる。茜の飯は本当にうまい。ずっと食べてないなあ。食費は俺が出してやるよ、どうだ?」
どうして何も言わないうちからそうやって、勝手に取り決めるかな?親子そろってどうしてこう……はあ。
「……なんで勝手に決めちゃうのよ。どうして誰も内緒にしていてごめんねって言ってくれないの?」
海斗は驚いたように私を見ると、横に来て頭を撫でた。