イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
思いも寄らぬ展開
あの日から、海斗は私の部屋で過ごすことが多くなった。結局、夜も一緒に寝ている。ほぼ、毎晩誘われてそういうことをしたりして、もう海斗を親友とは見られなくなってしまった。
昔も後ろに立たれたりすることがあったが、ドキドキはしなくなっていた。それが、ここ数日で身体を密着されてしまうことが増えて、ドキドキが止まらない。海斗の言ってた作戦が成功したって事?
今日も朝から歯磨きしている私の後ろにぴったりと立っている。お腹に手が回ったので、つねるとクスクスと笑っている。
「茜。もしかすると、今日辺り高梨君から何か話があるかもしれない。そろそろ会社を休むかもしれないし、どうなるかわからないけどな」
「……え?」
歯ブラシを片付けて、海斗の方を見る。
「海斗。何なの?高梨君に何かあったの?」
「……高梨君ではなくて、高梨君の実家の会社だよ。兄さんは高梨工業のきな臭い噂を偶然聞いたことがあったらしい。兄さんに高梨工業って確認されなかったか?」
そう言えば、そうだ。確認された。
「うん。確認されたよ。え、もしかして、何か良くないこと?」