イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「あ、ごめん。大きな声だして……」
「いいえ。こちらこそすみません。先輩の仕事引き継ぎます」
彼女は高梨君が好きだから心配なんだよね、わかるよ。とりあえず、夏の休暇時の提携施設の予約のシステムを教えて、今年度用に打ち替えるよう指示した。
それ以降は必死で法務の仕事をした。高梨君に頼れないと思うと自分で考えようとする。こういうことって大切かもしれない。自分でできるだけわからないことは調べようとするし、今までどれだけ調べずにただ彼へ聞くばかりだったか認識した。甘えていたことに初めて気付いた。
海斗もその日から忙しくなり、夕飯も家で食べられなくなった。
帰ってきても、うちには来ないで隣へ帰っている。
仕事を持ち帰っているので、自分の部屋へしばらく帰るとメールが来ていた。
それから三日後。
夕方すぎになり、社長秘書から内線をもらった。終業後来て欲しいというものだった。
高梨君の分も仕事をやっているので、残業になってしまう。とりあえず、時間を見て役員フロアへ上がった。
入ると驚いた。高梨君がいる。ええ?
「早見、仕事押しつけて悪かったな」