イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

 「それで、高梨君はそっちへ行くの?」

 「うん。ここにいても噂が大きくなれば居づらくなるし、蓮見との取引も続けられるかわからない。社長次第だ。少なくともお前との縁談はなくなったと思うよ」

 高梨君は辛そうに話している。彼は何も悪くないのに。

 「高梨君が御曹司って知られていなければこの会社にいてもいいんじゃないの?」

 「そうはいってもな。取引のある営業部長や担当者は俺のことをどう思うか……。ここの人達にもすぐ噂が広まる」

 そんな……。

 「実は、高梨工業の顧問弁護士が使えなくてさ、今回のこともうまくやってくれなくて、別な弁護士を探しているんだ。それで、新藤先生に電話して先生の事務所で担当してもらえないか聞いている最中なんだよ」

 「……ええ?!」

 ど、どうしてそうなる。受けたりするのかな。海斗なら断るよね、きっと。
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