イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「……やっぱり。その慌てぶり。早見と先生ってなんかある?先生、お前のこといっつも見てる。お前も先生のことチロチロ見てる。部長は知らんふりしてる。俺だって気付くよ」
「……それはその」
「遅くなった。悪いな」
社長が入ってきた。
ふたりで立ち上がって挨拶する。秘書がコーヒーを三人分入れてきた。
「高梨君。家の方はどうだね?」
「マスコミ記者会見は明後日以降になると思いますが、明日くらいから表に出るようです」
「……ふーん。先週茜さんに縁談の話をして、そちらの噂を耳にしたのがその二日後。あまりのタイミングに驚いたが、君も関係ないのに大変だ。お父さんは大丈夫か?」
「……はい。一時寝込んでましたが、そんなことを言っている場合ではありませんので、長兄と次兄、重役が会社を回しています」