イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
そうなのか?よくわからんが、俺は茜を助けるためなら最終的にその提案を受け入れる決断するかもしれない。ただ、今はまだその時期じゃない。
「俺は……もちろん断ったよ。茜は俺を困らせるなとあっちの爺さんに怒ってた」
「ほう?逃げ回っていた茜さんがどういった心境の変化だ?良かったな、海斗」
「ただ、それを断ると茜は別の条件を出されるだろう。俺のために何かしやしないかとそれも心配なんだ」
「高梨工業との縁談はなくなったとみていいだろう。だが、お前にそんな提案をするくらいだ、他を探す可能性がまだあるということだろうな。血縁にそこまで固執するのか。あいつの直系は茜さんひとりだからな」
「爺さん。茜の縁談相手だった高梨は法務部に異動してきているんだ。それで俺に直接連絡が来て、実家の顧問弁護士が役立たずだから代わってもらえないかと言われた」
「それは、それは……海斗信用されてるんだな。しかし、笑えるな。お前が彼女の恋人で許嫁だと知らないんだろ」
爺さん、面白がってるな。人の気も知らないで……親友をなんとかしろよ、全く。