イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
確かにそれはそうだな。総会までにこのことを知られると株主につつかれる可能性もある。取引部が赤字になるかもしれない。
「……だからといって、俺はそんな余裕もないし、泥船を救えるほどの手腕もまだない」
「まあ、総会対策をするうちに高梨工業のことも取引先なら足を突っ込むことになるだろうし、様子を見てから返事をしてみたらどうだ」
「わかりました」
「海斗」
「はい」
「留学後話していた向こうでの弁護士資格のことだが、気持ちは変わってないのか?」
「最近ベンチャー企業のトップは、国際弁護士から転身した人もいる。商社だから、海外取引は重要だ。もし、茜のために決断することがあるとしたら、海外の弁護士資格もあったほうがいいと思うんだ」
「海斗。茜さんのために会長の言っていた社長職も頭に入れているのか?蓮見に入る覚悟もしているということだな」