イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く～お前は俺のもの

　「いや、爺さん。蓮見のことは最終手段だ。それよりこの事務所の今後のことを考えている。そのために入ったんだからな」
　
　「ここの事務所のことは心配しなくてもいい。お前の父の退官後はここに来るだろうからな。あいつら夫婦に任せてもいいんだ」

　「え？」

　「お前の両親には現状を話しておけ」

　「わかりました」

　母に茜の別な縁談について現状を電話で話した。すると、わかったとひと言。

　「海斗。父さんと私も、茜さんとの縁はお前次第だと思っていたから、お前が彼女を隣にしたいと言ったとき、本気か聞いたでしょ」
　
　「うん、そうだったな」

　「茜ちゃんは素直でいい子だし、彼女がその気になったならそれでいいのよ。あっちのママは友人だし、許嫁なんだから気にしなくていいわ。蓮見の条件のことだけど、今は忘れなさい。ただ、お前の決意はわかった」