イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「海斗君。久しぶりだね、元気だったか?」
「はい。おじさんもお元気そうで何よりです。ご無沙汰してます。茜の引越の際は後押しして下さってありがとうございました」
「いや、それどころじゃないだろ?昨日茜から聞いたけど、別な縁談があるそうじゃないか。義父さんも困ったもんだな。というか、義兄さんが問題なんだろうな。茜に頼らなくても後継者なんて会社に誰かいるだろうに……」
おじさんは至ってまともだ。おばさんはおじさんと結婚して良かったな。まあ、うちの伯父さんもいい人だけどね。
「茜さんはお断りしてくれてましたが、実は会長から結婚したいなら社長になれと言われてしまいました。雑談として聞いておくと言ったんですけど、結構本気らしくて……」
「……それもねえ、茜に聞いたけど、相変わらず色んな事考えつくもんだ。会長は君との縁談を壊したくないのかもしれないな。新藤さんと元々約束していたしね」
「そうですね。祖父もそう思っているようです」
「ただ、おそらくそれだけじゃないね。社長を任せてもいいと思わせるところが君にあったんだろう。僕は君のことずっと見ていたから才能があるのはわかってたけどね」