イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

お隣の事件


 海斗は土曜日だけど、朝から今日は出社している。弁護士は土日も忙しい。休みが不定期で本当に大変そう。

 私は一週間のたまった家事をやっていく。実は家事が大好き。実家でも家事のできないママの代わりにいろいろなことをやってきて、そのうち近所の海斗ママにご飯を提供するようになってきた。

 掃除、洗濯、料理をしているときが一番私らしくいられるかもしれない。絶対専業主婦向きだと自分でも思う。最近はお隣の神木さんにおかずをわけている。シングルマザーで忙しいらしいので一度作りすぎたときに持って行ったら喜ばれて、その後定期的に持って行っているのだ。

 今日もカレーだったので、少しわけて甘口にした分を鍋に入れてお隣へ持って行った。チャイムを鳴らそうとしたら、怒鳴り声がする。京介君の泣き声もして驚いた。怒鳴り声が男の人の声だったからだ。

 私はドアを引いたら、空いていたので思いきって鍋を玄関に置いて、声をかけた。すると京介君が走ってきた。

 「ウワーン、ママが……」
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