イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

 急いで自分の部屋へ入ると、鍵をした。

 すると、ドンドンとドアを叩く音と、先ほどの男性の声がする。

 「開けろ、開けやがれ、京介を返せ」

 京介君はしがみついてママーと言いながら泣いている。可哀想に。みのりさんは大丈夫だろうか。どうしようどうしようと思っているうちに、海斗のことを思い出した。そうだ、弁護士じゃん。

 いつも困ったらすぐ連絡しろ、俺はスーパーマンだというのが決まり文句。とりあえず、ここは連絡するしかない。海斗に電話したが繋がらない。メールを残して急いで警察へ電話した。みのりさんに何かあったら大変だからだ。

 外では男性が相変わらず大声を出して、今度はドアを足で蹴っている。まともじゃない。ご近所の人が気付いてくれたらいいんだけど。おびえる京介君を奥の部屋へ連れて行き、抱きしめて背中を撫でてやる。

 すると、警察の人が来たのだろう、男の人が外でもめている声がする。
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