イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

 海斗は最近何かというと、頭を撫でて、平気で抱きついてくる。最初はドキドキしていたが、あっという間に仲が良かった当時に戻った。隣になれて嬉しい。付き合うという言葉。本気にして付き合える?

 「しょうがないなあ。というより、海斗君はそれを受け入れたの?なにやってんのよ、本当にもう。今度会わせてね」

 「え?そうだね、もうすぐ研修終わるらしいからきっと会えるよ」

 晴れて正式に弁護士になった海斗は、自分のおじいさまの弁護士事務所に入った。

 私も仕事に慣れてきた。でも海斗は相変わらずの忙しい生活。新人だから誰よりも早く行って、雑用などもこなしながらありとあらゆる仕事をしているらしい。
 
 やはりおじいさまの手前、きちんと仕事をしないと周りから色眼鏡で見られて居づらくなると言ってた。可哀想。私も親族の近くで働いているから気にはしているけど、他人に知られているのは本当に大変だと思う。

 一昨日も夜に突然現れた。

「あかねー。疲れた……こっちでご飯食べたい」

 急にインターフォンの前で耳のたれた犬のように甘えてくる。もう九時半だ。
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