イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

「してないよ。今週も土日仕事で昨日も泊まりだったでしょ?とにかく寝た方がいいよ」

 土日祝日も電話が来て出て行ったり、しょっちゅう泊まり込みで仕事していたり、身体壊さないか心配になる。だから、少し忙しくないと言うときはご飯を作ってあげて、ゆっくりさせてあげたいとか思ってしまうんだ。
 
 最近は海斗の好きなメニューがわかってきたので、海斗の好みに合わせて作ってる。中学の頃はあんまり辛いもの好きじゃなかったのに、今は辛いものが好きになったようだ。人は変わるのよね。うん。今の好みに合わせて昔の好きなものまで作ってる。

 ママに言ったら、まるで奥さんねと笑われた。た、確かにそうだよね。でも、残念でした。恋人でもないし奥さんでもないの。ただの幼馴染み。許嫁という話もあったけど……。

「……いいんだよ。茜といると、落ち着くっていっただろ。それだけで疲れが取れるの」

「ここは、私のうちですけどね」

「お前のうちは俺のうちのようなもの……幼馴染みで許嫁なんだからさ」

 最近しつこいくらい、許嫁を強調する。黙って海斗を見ていたら、ごちそうさんと言って立ち上がると私の頭をまた撫でて出て行った。
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