イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
 
 「茜、少しは俺に興味あったんだな。全くそういうこと口にしないし、大学時代も嫉妬してくれないから結構地味に堪えてたんだぞ」

 「はあ?よく言うわよ。あのね、あなたが女の子に囲まれているのは中学時代から嫌と言うほど見てきたの。もうね、空気。いちいち気にしてたら気が持たない。海斗の女性問題は見ない振りというよりそれが空気だと思うことにしたの」

 「……お前、それが空気って、俺はどんな人間なんだよ」

 「うーん、いわゆる光源氏的な?」

 「……あのな」

 「海斗と付き合ってたらきっとそれで苦労する。だって女優さんに告白されるとか、私の想定を越えすぎてる。無理だよ」

 「無理じゃない。大丈夫だ、お前と付き合うようになれば、そのことを知ってみんな消えていく」

 「そんなわけない!中学のときも許嫁って知ってもみんな何も変わらなかった。それどころか、私じゃだめだってみんなに言われたもん」

 「だから、それも……茜、考えすぎだ」

 海斗は私の肩を両手で押さえてぶんぶんと振った。
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