イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

 考えすぎ?海斗に私の気持ちがわかるわけない。これ以上意識するのが怖い。同じ事をこの歳になって繰り返す勇気がない。私の切羽詰まった顔を見て、海斗はため息をついた。勇気を出して言った。

 「私モテないし、手っ取り早く婚活しようかと思うんだ。それに相手がお互い出来ればお母さんの時みたいに許嫁なんてなかったことになるでしょ?私引っ越すから海斗も好きにしていいよ」

 「婚活だと?許嫁の俺に向かってよく言えたな」

 地を這うような低い声。何なのその目。私の肩をつかむ両手が熱い。

 「ごはんくらい作ってくれる女の人は実は山ほどいるんでしょ?よりどりみどりの癖して。お母さんの手前、私に気を遣ってくれなくてもよかったのに。一応次のマンションはすでに考えてあるんだ」

 「へえ?茜にしてはすごい計画的なんだな」

 「そうでしょ。私だって大人になったんだから……」

 「へえ、大人になったの?それは初耳。中身はまだお子様のくせに……」

 「なんですって?」
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