イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
私が未だまともに彼氏がいたことないのを知っていていつもそうやって馬鹿にして……見てなさいよ、すぐに婚活していい人見つけてぎゃふんと言わせてやる。
「茜。相変わらず頑固なお前には何を言っても聞きそうにないから、やり方を変える。お前と俺はどんな関係だったのか思い出させてやる」
「そうですか?でも私のご飯もあと少しで終わりです。ありがたく食べるようにね」
「……」
フライパンの中の麻婆豆腐を睨むように見ている海斗。麻婆豆腐が大好きなんだよね、海斗。海斗の好みに合わせた辛みと豆腐の固さ。きっとこれだけは私を超える人は出ないに違いない。
胃袋は確かにつかんでる。それは昔から……。おばさんも弁護士でほとんど家にいなかったし、うちのお母さんも料理が下手だったからお手伝いさんがいなくなってからはほとんど私が作ってた。新藤家も、早見家も、みーんな私に胃袋捕まれてるの。
そのあと、不思議なくらいだまーって食べている海斗を見つめながら、私は部屋を後にした。