イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く～お前は俺のもの

　「いや。実はここ一ヶ月以上避けられてる。最初は仕事が忙しいからと言われてたんだが、どうやら嘘だと気付いた」

　「仕事ですか？一ヶ月前？うーん。特に忙しいとは聞いていなかったけど、元気はないですよね。具合悪いの？って聞いたら違うと言うし……」

　あいつどういうことだ？やっぱり何かあったんだな。

　「……わかった。どうもありがとう」

　「え？もういいの？」

　「いや、何か隠しているっていうことがわかっただけでも違う」

　「海斗さん。聞いていいですか？」

　「ああ、いいよ」

　「茜のこと。好きなんでしょ？どうして付き合わないの？」

　「言い訳にしか聞こえないだろうけど、ここで再会するまであいつに避けられてたんだ。で、再会してすぐ付き合ってくれと言ったら断られたんだ」

　「それは知ってます。私が言っているのはどうして付き合わず彼女の返事を待ってるのかってことです」

　「最初の一年は俺も実習でほとんど家にいなかったりしていて、あいつも新人だったし、ひとり暮らしに慣れるのも大変そうだった。だから我慢したんだ。無理矢理物理的に近くに連れてきたし、徐々に口説くつもりだった」