イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
中学で女子生徒に囲まれて告白されるたびに、自分には爺さんが決めた許嫁というのがいるらしいから付き合えないと言ってまずは断ってきた。
ある日、生徒会役員の女子生徒が、幼馴染みの茜のことをグチグチ言うのを一喝したことがある。原因はこういうことだったのだと気付いた時にはすでに遅かった。
俺は高校に入ると茜にほとんど会えなくなった。でもふたりで会うときは笑顔を向けてくれる。それにどんどん可愛くなる。俺は心配だった。だれかにとられるんじゃないかとか悶々とした。
父から告白したらどうだと言われたこともある。だが、茜にその気がない。高校時代に一度昔のように手を握ろうとしたら、おびえたように下がられた。距離をおこうとしているのがわかるのだ。
大学時代、同じ学部の彼女を連れて年末に実家の近くで茜に偶然会ったことがある。少しは嫉妬してくれるかと期待したが、興味なさそうに目をそらされてがっかりした。