イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
女子社員は茜だけでいいと言ったのだ。あいつができないところは俺がやる。法務部へ行くと、頭がまぶしい笑顔の部長に迎えられた。
「新藤さん。初めまして。私が部長の川村です」
「初めまして。よろしくお願いします」
法務部へ行く途中にフロアを横切るとざわざわし出した。隣の会計部の女子がジロジロこちらを見ている。
部長がその女子にコーヒーを頼んだ。会議室へはいると、ほっとした。
「いやいや。新藤君は大変だろ?」
「はい?」
「モテるだろう?すごいね、女子社員のざわめきたるや……」
ノックの音がしてコーヒーを持ってきた女子社員が入ってきた。
にこにこしてこちらを見ている。コーヒーカップの横にチョコレートを置いていった。
「……あれま、チョコレートがついてるよ。おまけかねえ。初めてだよ。これじゃあ、今後は来るたびにエスカレートしそうだな」
川村部長が呟いた。俺はため息。まあ、よくあることだ。弁護士になってから特にひどい。今日は仕事だからバッジをつけているし、これにつられる人もいる。
「それで、今後のことですが……」