イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「ああ、そうだね。予定はこんな感じでどうかな?」
部長がプリントを目の前に広げてくれた。とりあえず、やらねばならないことが書いてある。
「そうですね、わかりました。総会対策が終わり次第、徐々にやっていきましょう」
「ああ、そうしてくれると助かるよ。ここにひとり男性も異動させるつもりなんだ。さすがに私と早見さんでは無理があるんでね」
「そうですか……」
「以前から総会担当をしている総務部の高梨君。早見さんとは同期だし、丁度いいと思ってね。ああ、二人を紹介しておこう。今呼ぶからね」
高梨って、飲み会の時に茜を送ってきた同期。見た感じだと親しそうだった。俺が茜を放置するのはまずいと思った原因のひとつだ。よりによってなんであいつなんだよ。俺の内心の葛藤をよそに部長は内線で連絡したようだ。
さあ、茜の驚く顔が楽しみだ。
ノックの音がして、部長が返事をしたら失礼しますという男性の声がした。
扉が開いて二人が入ってきた。
「やあ、やあ、総務部のおふたりさん。忙しいとこ悪いね。紹介するよ。今月から顧問弁護士をしてもらうことになった、新藤先生だ」