イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
「今日会社で初対面のフリをしたのはお前が素性を知られるのを嫌がっていると聞いているからだ。会長の孫というのも内緒にしているんだろ?」
「うん。社長の姪というのも内緒にしてもらってる。名字違うし言わなければわかんないから……」
「俺のことは言ってもいいならそれでもいいぞ?どうする?」
茜はこちらを見ながら言う。
「え?今更無理だよ。実は幼馴染みでしたとか、変だよ」
「中学時代も俺と幼馴染みだと言わない方がよかったって言ってたよな。生徒会のやつがお前をいじめていたのも後から知ったから……。まあ、会社でそういうことはないだろうが、他人の振りのほうが安全かもしれないと思ったんだ」
「絶対そうだよ。海斗が帰った後、会計部の女子が大騒ぎして、私に色々聞いてきたんだ。思い出したよ、昔のこと。海斗ってやっぱり今もすごくモテるんだね」
茜がため息をついた。両腕を取って、茜と向かい合わせに正面を向く。目を見てはっきり言った。
「茜。我慢の限界だ。俺はお前と付き合いたい。お前以外の女は全て俺が排除する。お前以外いらないんだよ」
「……」