イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く～お前は俺のもの

　茜は息をのんで何も言わずに俺を見ている。

　「もう一度言う。茜、好きだ。正式に許嫁として交際したいんだ。お前が婚活とか気が狂う」

　「……どうしたの急に」

　茜が低い声で言う。前から言ってたのに、聞いてなかったのか？

　「最初に言ったよな？やり直したいって。もういいだろ。お前のこと待ってたけどもう待てない」

　「海斗あのさ、無理しなくていいよ。私のこと本当に好き？」

　「好きに決まってるだろ。なんで疑うんだよ」

　「それはそうだよ。海斗にとっての私って、まるでお母さんみたいだよね。恋愛感情じゃないでしょ？」

　「恋愛感情に決まってるだろ。大体、俺はお前が許嫁じゃなくたって、お前を選ぶから……」

　「私を好き？大学時代の彼女みたいに私を想ってるようには見えない。口だけでしょ。信用できない」

　俺は、茜をじっと見た。信用できないだと？弁護士である俺に向かってよく言えたもんだ。

　「茜。俺はお前の気持ちを尊重して踏み込まずに来た。ホントは茜を彼女としてもっと可愛がりたい。お前は俺のことどう思ってんだ」