イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの
頭にきて、もう一度抱きしめて今度は頬にキスをした。目をつむっていたから、口だと思ったんだな。頭来たからじらしてやる。
「茜。口にしてもいいのか?頬じゃない方がよかったか?」
頬を抑えて茜はぷるぷる震えている。
「か、海斗の馬鹿!」
「お前に馬鹿と言われるようなことはやってないぞ。いいな、茜。今日から俺たちはやっと恋人になる。毎日キスしてればドキドキするだろ?」
「海斗、本気なの?私なんて……」
両手を握ってやる。
「お前のことずっと好きだった。最近は片想いなのかと思って引いていたんだ。まさか、伝わってなかったのか?ちなみに、俺の隣へ越してくるようお前を各所に頼んで誘導したのは俺だ。いいか、茜は昔から許嫁で俺のものなの。誰にもやらない」
引っ張って抱き寄せる。ただ、こうやって抱きしめるのは昔から普通のことなんだよな。だからドキドキしないのか?
でも今日は違う。茜が身体を硬くして緊張しているのがわかる。
「とりあえず、ひとつだけ約束してくれ」
「何を?」
「引越はやめること」
「……」
「返事は?」
「……わ、わかった」